ありふれた話とその先のこと

40代既婚者のストリートナンパ

2021年の終わりに

 

気付けば色々とあった2021年も終わりを迎えようとしている。子どもの頃はとてつもなく長く感じた1年が歳を重ねるにつれスピードを増して行き、ナンパという非生産的行為を年単位で続けるようになると日々は瞬く間もなく過ぎ去るようになった。

Twitterは記録というよりは情報の消費の側面が強いので自分はその時々の出来事や、感じたこと、思考を記録しておくために時代遅れなブログを書いている。

というわけで今年の記録と振り返った所感等をまとめておきたい。

 

 

2021年の印象と目標とか目指したもの

2021年は昨年に引き続いてコロナに尽きる1年だった。今年も多くのナンパ師が消えていったけど、一番影響を受けたのはおっさんやスト低ナンパ師だったと思う。

ただでさえ街に人が少なく、コロナ前のメインターゲットだった飲み足りないOLや背伸びして遊びに街に来ている案件がいない。この状況に対応するために通常の1杯飲みに行こうリーマンナンパを変える必要があった。

 

なので今年は、店が開いていないからというのもあるが、コロナを言い訳にして直個室の連れ出しやアポ、連れ出すにしてもコンビニ経由ですぐに個室打診するような即が大幅に増えた。

当然一定の声掛け数も必要だし、普通の連れ出しなら通る案件を破綻させることも多かったが、終電までの時間的に全てを拾えるわけでもないのでそこは割り切ってほぼ捨てた。正面から口説くのではなく短時間のうちに相手の許容を見て要求を押し通していくイメージ。顔を隠せるマスクも有利に働いていたと思うし、逆説的にコロナは有利に利用できていたとも言える。

リスクに配慮しつつできるだけ手順を省略した“強いナンパ”を求めた一年だった。

 

2021年の結果

  • 35Get(即21、準即9 準々即2、パス2、紹介(オフパコ?)1)
  • Get率:37.2%(35/94出撃)
  • アポ勝率:52.4%(11/21)
  • 連れ出しからの当日即率:26.6%(21/79)
  • 連れ出しからの最終回収率:34.2%(27/79)
  • 絡まれた回数:3回
  • 殴られた回数:2回
  • コスト:記載自粛…

〔以下はちゃんと統計を取り始めた2021年5月以降のデータ〕

  • 1即あたりの活動時間数:9.7時間(アポ時間含む)
  • 1即あたりの声掛け数:75.3k
  • 1準即あたりのバンゲ数:16.6バンゲ
  • 1連れ出しあたりの声掛け数:29.9k

 

【トピック】

  • 北国遠征:2泊4Get(1花火)
  • 帝都出張遠征:2泊2即
  • 牛タン出張遠征:1泊1即
  • スト新規毎月即達成(2020.6から継続)
  • 自爆(泊まり)0回達成

 

望む望まざるを問わず今年も多くのナンパ師が退場していく中、無事に生き残れたことは幸運だった。既婚という身分にも関わらずナンパを続ける以上、リスク管理はやり過ぎてもやり過ぎにはならない。

クレイジーとも言える路上徘徊を一定期間続けていると、自分の連れ出しや即に至るまでの数字が見えてくるので、ある程度のスト値とセルフイメージを維持しつつ声掛けさえ続けれていれば、自ずと結果は確率へと回帰していくことが分かってきたことが今年一番の収穫かもしれない。

何も分からぬまま塩対応を食らい続けるのと、ガンシカが続いても平均すると30人に声を掛けると一人は連れ出せて、75人に声を掛けると1即できるといった数的根拠を知った上でやるのとでは、声掛け時のメンタルの差は大きい。

日常ではあり得ない頻度での否定と拒絶を受け続ける中では、積み上げた過去の実績と成功体験だけが自分の背中を押してくれる。

 

雑感

今年は多くのスト師と会って話す機会が多かった。Twitterやブログでアウトプットし続けたからこそ会いたいと言って貰えたのだと思うけど、本来交わるはずのない年齢も環境も考え方も違う男同士が、女遊びという何とも下世話なただ一点において路上で交差していく世界に言葉にし難い魅力を感じてしまっている。スト師大体みんなサッパリした良い奴なのはなぜなのか。

しかしどう考えても若者の領域であるナンパというゲームにおいて、年寄りが前に出過ぎるのは迷惑でしかなく適度な距離感は必要。変な僻みや上から目線になるような本物の老害にだけはなりたくない。過去の経験や実績など無価値、今現場に出続けている者の発信にしか価値はないのだから。

 

これは自戒を込めて何度も言っているが、アラフォー以上の高齢者にストは全く勧められないし、中途半端にやるのは本人にとっても女の子にとっても害悪にしかならない。

本来おっさんと20代そこそこの女の子が交わることは金を介した関係以外ではあり得ず、それを無理矢理捻じ曲げるには相応の経費・労力・戦略が必要でリスクも大きい。

テクニックやマインドがどうこう言われるが、とにかく若く見せないとストでは話が始まらないことは街に出ていると嫌でも分かってくるし、負ける理由は顔グダやおぢグダがほとんど。(顔面課金…

リターンがコストやリスクを上回る高齢スト師は非常に少ないのが現実であり、ここは覚悟も根性も無いゆるふわじじいが迂闊に足を踏み入れていい場所ではないと言わざるを得ない。(それでも覚悟を持って始めて続けたいというアラフォー以上の方がいたら一緒に泥を啜りましょう)

 

今後のこととか

ナンパを一度辞めると二度と戻れなくなるのは確実なのでいつまでやるのか判断が難しい。ナンパをするということは他の多くのことを犠牲にしていることと同意義であり、立ち止まって冷静に考えてしまうとこんな狂気の沙汰をやろうとは思えなくなる。

活動を続けていて楽しいかと問われると何とも答えがたいのが正直なところ。若い時期に始めていたならともかく、陰キャでひねくれ者の自分はナンパは好きだけどナンパを楽しむという才能には恵まれていなかったみたい。

 

幸いやりたかったことはほぼ達成したし、手に入れたかったものも手に入れた。最後に自分を燃やし尽くせるような何かがあればすっきり成仏できるような気もするので、来年は終わりを見据える年になりそう。

狂気のようなものがなくなったらストでは通用しなくなるのでいつの間にか消えているかもしれないけど、意図しないトラブルで消えていく人も多い中、早めに区切りをつけるのも悪くないと今は思ったりもしている。それにどんな人間にもストリートから退場になる日は必ずやって来る、いつかは少し退屈だけど丁寧な日常に戻らなければならない。

 

ただトータル100Getは必ず達成すべき目標なので、いい歳してみっともないのは承知しているが、敢えてアホになってでもやり遂げたい。誰かが言っていたがこれはやり残した夏休みの宿題を二学期になってやっているようなもの。それにナンパですらやり切れない男が残りの人生で他の何を為し得るというのか。

 

 

内容涸れ気味のブログですが、読んでいただきありがとうございました。

 

今年出会った全ての女の子にも感謝を。

 

 

来年もよろしくお願いします。

 

 

 

 

【追記】

先月結婚とナンパについて書いているので興味のある方は読んでみてください→ナンパと結婚 - ありふれた話とその先のこと

 

 

ナンパと結婚

 

 

先日独身クラスタから結婚について聞かれたこともあり、イチ既婚ナンパ師として「ナンパ」と「結婚」について改めて考えてみたい。

もちろん「一生結婚はしない」と心に決めている人にどうこう言うつもりは全くないし、むしろそういう人には尊敬の念を抱いている。これは本気で結婚したいと思っている人向けの内容。

 

1 一般的日本人の性経験

結婚とナンパとSEXは切っても切れない関係なので、まずは日本人のSEXの現状について確認する。国立社会保証・人口問題研究所(以下社人研)が5年ごとに行っている「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)2015」によると、18才~34才までの日本人男性のうち何と42.0%が「性経験なし」と回答している。女性も44.2%が経験無し。俄には信じられないが一応公的機関の調査なので本当なのだろう。

少子化が進む云々の前に童貞化が進む日本の現状を国は施策としてどうにかすべきであるが、とりあえずここではこれ以上触れない。

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2 一般的日本人の経験人数

これは公的機関の統計が全くないので、仕方なく相模ゴム(株)のアンケート調査(2013)から引用するが、男性11.1人、女性5.1人、全体で8.1人が平均人数(中央値は3人となっている。ただし1の結果と見比べると直感的には少し多いように感じる。これはコンドームメーカーのアンケート調査に答えるぐらいなので、性経験が浅い人たちが避ける傾向があったのかもしれず、実態の人数はもっと少なくてもおかしくない。

月1即の年間12即のショボ腕ナンパ師でも1年で日本人男性の平均生涯経験人数を超えてしまうのだ。

 

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3 初婚年齢、交際期間

次に日本における結婚の現状について確認していく。上記社人研の「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)2015」によると、男性の平均初婚年齢は30.6才となっており、結婚までの平均交際期間は4.26年。交際期間は昔に比べると年々長期化しおり、みんな割と長く付き合ってから結婚しているという印象を受ける。

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4 結婚相手と出会った年齢

同じく「出生動向基本調査」によると最終的に結婚した人のうち半数は25.5才に後に結婚する相手に出会っており、また73.0%の男性が30才までに、87.4%の男性が35才までに結婚相手に出会っている。運命の相手とは比較的早い段階で出会っている。

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5 出会いのきっかけとしてのナンパ

では次に結婚相手と出会ったきっかけについて見てみたい。以下は1と同じく社人研の「出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)2015」からの引用だが、きっかけがナンパと思われる「街なかや旅行先で」は全体の4.3%となっている。いわゆるリアコミュの学校(11.2%)、職場・仕事関係(33.2%)、友人・兄弟の紹介(28.6%)に比べればもちろん少ないが、結婚相談所(1.1%)より遙かに多く、見合い(4.6%)と同等の割合になっている。

最新の調査が2015年しかなく少し古いので、今ならマッチングアプリ経由もかなり増えていると思われるが、ナンパは自力でやれる婚活ツールとしてはかなり有効な手段と言える。

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また厚生労働省の「人口動態調査」(2020年)によると2020年の日本の婚姻数は525,507件なので、かなり乱暴だがこれに上記ナンパ割合(4.3%)を掛けると、年間22,596組カップルがナンパをきっかけに結婚していることになる。

印象としては思ったよりもナンパをする男は多いが、これは“飲み屋でちょっと声を掛けてみた”とか、“旅先で偶然意気投合して”みたいなライトなものも多いと思われる。現場に出ている人なら分かると思うが、街中で無差別声掛けを年単位でやるような重度のナンパをしている人はだいたい面子が決まっていて、入れ替わりはあるものの実態としてそんなに人数が多いわけでは無い。

 

6 結婚による人生の幸福度

「じゃあそもそも結婚したら幸せになれるの?」「独身のまま自由気楽に過ごす方がはるかに楽しい!」という疑問や意見も多いと思われるが、それに対する調査結果は以下のとおり。(グラフはすももさんのツイートより)

「世界価値観調査2017~2020」(社会学者による国際プロジェクト)によると日本人男性の幸福度は、結婚していない人が先進国最下位なのに対して、結婚している人は中位ぐらいにランクアップする。メディア等の発するイメージとは逆に独身男性に比べて結婚している男性の方が人生の幸福度は高いのだ。

この他にもこのグラフはもの凄く多くのことを語っていると思うがここではあと一つだけ、日本の独身女性は世界一幸福であるが、それは少なからず独身男性からの搾取により成り立っている(のかもしれない)。現に無差別殺傷事件を起こすのは独身男性が圧倒的に多い。ジョーカーを生んでいるのは誰なのか。

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7 乱暴なあるいは平均的結論

上記を簡単に纏めると以下のとおり。

  1. 一般的日本人男性の性経験に比べてナンパ師の経験人数は異様に多い(当たり前)
  2. 結婚している男性は比較的若いうちにパートナーを見つけており、結婚までの交際期間も長い(4年以上)
  3. ナンパで結婚するカップルはお見合い婚と同じぐらい多く、婚活手法としてのナンパは有効
  4. 独身男性より結婚している男性の方が人生の幸福度は高い

つまりものすごく乱暴な平均的結論付けをするなら、

  • 結婚はしないよりはした方がいい
  • ライトなナンパでの婚活はあり
  •  “結婚するだけ”ならば比較的早い年齢(遅くとも35才までに)でパートナーを見つけて、長く交際するべき

となる。

 

「そんなことは最初から分かってるわ」

「こっちはそういう相手が見つからないから延々とナンパしとるんじゃ」

「数は正義」

 

といった批判がありそうだが、一個人としては無限にも近い出会いを作り出せてしまう重度のナンパは「選択肢のパラドックスを生んでしまう。

 

アメリカの心理学者のバリー・シュワルツは「選択肢が多ければ多いほど、人は不幸を感じやすくなってしまう」という心理作用を提唱している。

https://www.youtube.com/watch?v=VO6XEQIsCoM

 

選択肢が多いことのデメリットは以下の通り。

  • 無力感が生まれる(=選ぶのが大変)
  • 満足度が下がる(=選択に疑念と後悔が生じる)
  • 期待値が下がる(=比較する対象が増える)

 

またジャムの法則も有名だ。

コロンビア大学シーナ・アイエンガー教授が、ドレーガーズという高級スーパーマーケットを舞台に、1995年に行った実験で、「豊富な選択肢は売り上げに貢献する」というお店の方針を実証しようとするものだったが、結果は全く逆になり、24種類のジャムを売り場に並べたときと、6種類のジャムを売り場に並べたときでは、前者は、後者の売り上げの10分の1しかなかった。選択肢が多すぎると人は決定をしなくなってしまう。

 

一橋大学(現立正大学)の北村行伸博士による「結婚の経済学」https://www.ier.hit-u.ac.jp/~kitamura/PDF/P11.pdf)という論文では結婚をゲーム理論を応用した確率式をベースに、経済学の切り口で分析している。結婚における意思決定の箇所を大雑把に要約すると、

  • 出会いを求めてやみくもに人に会ったりするのではなく、自分が経験した出会いの中で、自分が求める条件や判断基準を明確にし、作り上げていくことが重要
  • ただし出会える人が多い人ほどこの判断軸がどんどん変化していき、晩婚化につながりやすく、出会いの総数が多い都会で晩婚化が続いている背景

としている。

つまり多すぎる出会いは結婚の選択・決断にはマイナスになるのだ。

 

自分はもう一般的な感覚を忘れてしまったが、普通の独身男性なら月に2回程度新しい女性とデートするだけでもかなり多い方だと思う。それに比べてナンパ師は出会いを生み出し過ぎている。多すぎる出会いは選択のパラドックスを生み、結果として不幸を感じてしまう。婚活において多過ぎる数は正義とはならない。(まだ結論は時期尚早だが、もしかするとマッチングアプリの普及は未婚率の上昇を招いているのかもしれない)

 

つまり、本当に結婚がしたいなら即だけを追う数追いナンパは今すぐに辞めるべきということになる。50即もしているなら一般に比べて女修行は十分過ぎるし、その過程で得た技術、マインド、メンタリティはそこらの男の追随をまったく寄せ付けないレベルに達しているはずだ。情報収集ももう十分だろう。

 

今度はそれらを使って数や即を追わないライトな婚活ナンパをしてはどうだろうか。具体的には即に囚われない昼ストの健全連れ出しや、比較的真面目なマッチングアプリでの関係構築を狙うようなナンパ的承認欲求にとらわれない自分のためのだけのナンパだ。

界隈では即が正義であり常識だが、世間一般ではどう考えても異常な行為でしかない。もしかすると準即ですら理解されがたいかもしれないし、一般人からすると出会ってすぐの男女が30分後にホテルでパコパコなんて最早空想の産物としか思えないだろう。

またほとんどの人は夜の繁華街をフラフラ歩いていて簡単にナンパについて行ったり、アプリで会った事もない男といきなり直ホするような女と結婚したいとは思っていないはずだ。(もちろん女性がいつまでも所謂“即系”状態にあるわけでなくタイミングの問題なのだが)

 

リアルコミュニティでの出会いを模索してみるのも良いかもしれない。なにせ上記5のとおり日本における結婚に至る出会いのきっかけの約8割は学校、職場、友人関係などのリアコミュだ。リアコミュなら自然と選択肢は限られるし、一旦手を出してしまったら簡単には辞められないから責任も生まれるだろう。

リアコミュがないなら結婚相談所でもなんでもいいから文句を言わずに行くべきだ。(もちろん本気で結婚したいならばだが)

 

それでも「PUAは例外だからこんな平均的なやり方はできない」とか「JDや普通のOLじゃ満足できない、もっと上位層の女を」と思うなら自分のナンパ道を進むのもまた人生。

やりたいようにやって、やり尽くした後に見えてくる風景もあるのかもしれないし、そこまでいけばナンパをきっぱりやめて結婚もできるのかもしれないが、3年近く界隈を眺めていてもその境地まで行ける人は限られているように思う。

 

ここまで書いてきた内容は、ある程度客観的なデータ等に基づいたものであるが、所詮荒いし結論に主観が多いのは否めない。データの解釈も間違えているかもしれないし、それに結婚は一度しかしたことが無いから、自分の主観は統計的には全くの無意味だ。この記事を論破厨が見たら発狂するかもしれないが相手にする気は無い。だってこれは一個人の単なる思いつきなのだから。

 

ただし客観的事実として整形しても遺伝子までは変えられないし、美人も10年経ったら例外なく老ける。そのとき良好な夫婦関係を継続させるために必要な要素は何なのか、ここまでこの記事を読み進めた賢明なナンパ師である貴方ならもう分かっているはずだ。

 

 

 

その女性がもし男であったならきっと友達に選んだだろう、と思われるような女でなければ妻に選んではいけない

ジュベール(フランスのモラリスト、随筆家 / 1754~1824)

 

 

 

 

 

なお、自分と妻との出会いはリアルコミュニティだったし、ナンパ関係を除いた知り合いにナンパをきっかけに結婚した夫婦はいない。

そして一度結婚しても離婚してしまう夫婦が多いのもまた客観的事実である。

 

 

帝都スト2021秋

 

先日の出張ついでの帝都ストナンの記録。帝都は去年の11月に続き2回目で、その時はSLとパンダで2晩2即だった。

 

 

【1日目 パンダ】

関西は暑いのに台風のせいか帝都に着いた瞬間もの凄く寒い。ジャケットとネクタイ持ってきててよかった。仕事を終え、同僚をサイコパス放流してパンダ到着。ホテルに荷物を置いて準備もそこそこに待ち合わせ場所へ。

 

19:00

らいむさんとヤギ君と約1年ぶりの合流。気軽に話し掛けると最初二人とも「え誰?」な反応。陰キャじじい印象薄すぎて辛い・・・

そのまま駅の構内でKP。らいむさんがサラッとレッドブルをくれた。モテ男はやっぱり気遣いが違う。徐々に集まってくるクラスタや故クラスタとわいわい地蔵トーク。(個人的に故クラスタからLゲできたのはこの遠征一番の収穫かも)

 

19:45

それぞれソロでIN。台風の風がきつくてハゲには厳しいコンディション。らいむさんに軽く案内してもらいつつ、声掛けを後ろから凝視。上手い人がいたらそのやり方を目に焼き付けるのが一番の上達法。音声だけでは分からないことがある。とにかく楽しそうにしているのが後ろからでも伝わってくる。すぐにばらけてソロに。

 

20:30

マルイ前15声目ぐらいで帽子を被ったアパレルっぽい子を発見。

 

「分かるわー、いやよく分かる」

 

「はい?」

 

「こんな日は帽子ですよね、風きついし」

 

「そうですねw」

 

「俺なんてヘアセットの意味とは?って感じwww」

 

「確かに乱れてるwww」

 

 買い物帰りで時間あり。最近はコロナのせいで全然店で飲んでないとのことだったので、じゃあ今から行くしかないでしょと店連れ。最近は全く店に連れ出してなかったけど、この日は時間があるからいいかと少し妥協。

 

  • 30代半ば(全然見えない)バツイチ
  • 半年前に毒夫と離婚して今は実家暮らし
  • 求職中なので暇
  • 何年もこういうことしてないからドキドキする

 

最初に29歳と名乗ってしまったので年下設定で丁寧に和みながら相手の情報を引き出す。久しぶりの居酒屋、久しぶりのお酒、久しぶりの男。食い付きもあるしこれはイージー案件か?

 

一時間ぐらいで仕上がった感があったのでそれとなく神戸プリンルーティーンでホテル打診をするとあっさり通る。店を出て横断歩道で自然と手を繋いだ。これもあっさりOK。

 

勝った・・・なんだパンダ簡単じゃないか

 

思わず顔がにやける。

しかし次の瞬間

 

 

「今日は女の子の日なんだよね」

 

 

・・・呪い発生。

 

 

「まあまあまあ、大丈夫大丈夫」

 

と誤魔化しつつ何とか部屋にイン。しかし嫌な予感しかない。

 

ベットに腰掛けてプリンを食べさせ合う。リーセとは言え雰囲気は全然悪くない、いつもならこれは行ける流れ。徐々にボディタッチを増やしていきキス。通ったので一気にベットへ押し倒した瞬間

 

「いきなりはダメだよ」

 

急に冷めた声になる彼女。

いやいや普段コンビニ連れか直個室しかしてない俺からするとめちゃくちゃステップ踏んでるって、店連れしたの何ヶ月ぶりやと思ってんねん!

 

しかしそんな事は相手に伝わるはずもなく、どんどん拒絶感を強めていく案件。

あの手この手で必死のグダ崩しをしたけど、一旦冷めてしまった30代の心が開くことは二度となかった。

 

22:15

案件を駅に送って放流。駅前にいたダリさん達パンダクラスタの方たちに挨拶、事前連絡せずにすいません(汗)。すぐにお別れして駅構内で待ち合わせしていたレントンさんと合流。死ぬほどスタイルが良いから遠目でもすぐに分かる笑。現役モデルかな?この日も1時間以内にマッチングアモッグで即ってたしただの凄腕だった。

 

22:45

レントンさんとお別れして声掛け再開。宣言明けとはいえ既に街は枯れ気味なのでペースを上げる。またマルイ前でバイオリンを担いだ学生に声掛けてコンビニに連れ出すも、すぐに一ミリも未来無いとわかって放流。

そんなことしてたら街がほぼ死亡。声を掛けようにも逆3すらいなくなり、駅前に待機してたまに通る案件に顔も見ずに声を掛けては不審者扱いされるだけの不毛状態に。

 

25:00

心が折れそうなのでキャスでもしようかと思って携帯を開いたとき、横断歩道の向こうにホットパンツの生足案件を見つけて信号を無視してミガーダッシュで声掛け。

 

「やる気あるね!」

 

「!??」

 

「やる気に満ちあふれてる!」

 

「どういうことですか?」

 

「この寒いのに生足で遊びに行くのはやる気しか感じない笑」 

 

「よくわかりませんがありがとうございます笑笑」

 

話す日本語から外国人と分かった。目は笑っていて距離も近い。ただ直ホテル打診は断られたので一旦パセラに連れ出し(関西にはパセラはほとんど無いので一回行ってみたかった)。時間的も街の枯れ具合的にもこの子と心中するしかない。

 

  • 22才、台湾からの留学生
  • スタイルはめちゃくちゃいい
  • 日本語は会話に困ることはないレベル
  • 朝まで暇なのでバイト先から歩いて帰るところ
  • お酒が飲みたい

 

酒と軽く食べ物を頼んで個室でトーク。外観も内観も全部おしゃれで怪しさがないから個室なのに連れ出しのハードルが低い。パセラやカスタマが整っている帝都が羨ましい。

 

台湾トーク(一回も行ったことはない)で和んだ後、眠いので早々にちゃらい話題をぶっ込んでいくが、SEXは付き合った人としかしたことがないと予防線を張られまくる。でも身体の軸はこちらに傾いているし、相変わらず目は笑っている。これ押せばいけるヤーツ。

 

「そういう考えは人生のoptionを狭めてるよ、わざわざ遠くから日本にきてstudyしてるのにもったいない。せっかくなんだからもっと色んなexperienceしたほうがいい!」

 

よく分からん英語混じりで説得気味に行くと何となく嬉しそうになってきたのでホテル飲み打診しつつ、

 

「甘い物も好きでしょ?日本で有名なプリンあるよ♪」

 

のダメ押しでホテル搬送。本当に口実って大事だ。

 

部屋に入ってからはグダらしいグダもなく即。

スタイルいいし肌の弾力あるしスベスベやし、枯れ果てたパンダでストり続けたことが報われた気がした。

 

即後に電話がかかってきて、近くの友達のところへ行くというので途中まで送って解散。

次の日もあるので正直早めに帰ってくれて助かった。

 

女の子ありがとな!

 

 

【2日目 梟】

午前中にパンダから梟へ移動。たまたま梟に来ていたにしのーさんにラーメンを奢って貰う。そういえばこれが二日間で食べた唯一まともな食事だった気がする。

 

ホテルにチェックインし準備してヤギ君との待ち合わせ場所へ。池袋に来るのが人生2回目なので普通に迷子になる。何とかそれっぽい所に到着してベンチに座っていると自分とほぼコーデが被ったヤギ君が登場。トップスに至っては色まで丸かぶりwww。よく聞くと先日のクラスタ合コンでゴルゴさんも同じトップスで被ったらしい。

なんだこれ、じじいのユニフォームか?

 

15:00

梟をヤギ君に案内して貰う。導線は比較的簡単で道も広いし、何より人が多くてやりやすそう。

 

16:00

一通り案内が終わったところで、“とりあえず1時間だけやるか!”とそれぞれソロで声掛け開始。案件がいくらでも通るのでローラーし放題。そりゃこんだけ人がいたら1日200声もできるわなと納得。多少雑でも反応のいい案件だけを連れ出せば確率論的に即が生まれると思った。

 

17:00頃

40声ぐらいでようやくヒット。“友達と合致するまで暇だから付き合って”で教えて貰いたての導線に乗せてコンビニから公園に連れ出し。

 

  • 普段は丸の内で働いている25歳OL(でも丸の内っぽくないカジュアル系)
  • 健康診断帰り
  • 1週間禁酒してたので酒が飲みたい
  • 最近モテる
  • 彼蟻

 

「普段はここ全く来ないんですけど、今日は健康診断のために来てた。35番出口探して迷子になったw」

 

「俺も今日ここでめっちゃ迷子になったwww」

 

「久しぶりのお酒がおいしい、もっと飲みたい」「迷子になって疲れてるから休憩したい」「(こっちを見ながら)恥ずかしい」などとチャンス演出を連発するので、最低限のステップだけ踏んでさっさとホテル打診。あっさり通ってお酒を買い増して目の前のラブホテルへIN。(ビジホの意味とは・・・)

 

部屋に入ってからも恥ずかしいやら緊張するやら言われたけど終始嬉しそう。

あれ、ナンパってこんなに簡単だったっけ?

スムーズ過ぎる展開に戸惑いながらもつつがなく即。

 

「彼氏より遙かにテマソが気持ちよかった♡」

 

を貰う。

 

この日はまだストるつもりだったで“待ち合わせの友達から連絡が来た”ということにして35番出口まで送って解散。

 

“気をつけて帰ってな”とLINEを送ると以下の返信

 

“さっきは言わなかったんですけど、昔大好きだった元彼に顔が劇似でドキドキしました笑”

 

帝都に来てまさかの顔刺し。

めっちゃ気持ちええ。

 

女の子ありがとうな!

 

18:30

事前に連絡を取り合ってたまさお君、イノヲ君とコンビニ前でKP。ジュース買ってくれたイノヲ君はただのイケメンやし、まさお君は思った以上にまさお君だった。やっぱり地蔵トークは即後が楽しい。ヤギ君は1即後に可愛いキセクをお代わり中、キミ元気すぎるやろ。

 

その後駅構内に移動。

二人に構内を案内してもらいつつ適当に声かけ。夜の駅構内はとにかくスト師が多い。見渡す限り柱の陰にスト師がいるレベル。でも通行人も多いのでそこまでは気にならなくて、むしろやりやすい。

 

20:30

構内でクラスタ集まってKPアンド地蔵トーク。初めましてのひひどさん、お久しぶりのアオカンさんとも途中で挨拶。同年代でちゃんとストしてる人が多い帝都の環境はやっぱり羨ましい。

 

21:30ごろ

駅の構内で声を掛けたおっぱい大きめOLを西口公園へ連れ出し。自分の知っている西口公園とは随分変わっててもちろんカラーギャングはいないけど、酔っ払って奇声を上げている人達がいたり、何やってるのかよく分からない外国人がいて何となく親近感が湧いた。コンビニで自分はバナナジュースを購入、相手はお酒。

 

普通のOLさんで酔ってもないし、遊んでる雰囲気もなかったから、丁寧に和んで恋愛トークを挟む。若干の色が入ってるけど遠征やからええやろ。神戸プリンルーティーンを使ってホテル打診。

「ええーっ、最初からはしないよ笑」

と言いながらも一応打診は通る。

 

なんだストって超簡単やないか

 

導線的には絶対西口公園の近くのビジホがよかったなあと思いながらてくてく歩いて遠目のビジホにイン。

 

で部屋でギラつくも負け。

堅めの子ではあったけどやっぱり歩かせすぎたし、結果論だけどちゃんと店を挟んで丁寧に口説いた方が良かった気がする。

しかしなぜホテルの部屋までは付いてきた???期待してしまうやろ。

 

あぁーーめんどくせぇ!

 

23:30

駅構内に戻ってローラー再開してたら、この日の2即目にハメリカ人を即ってどや顔のヤギ君と遭遇。酒片手にええ感じに酔っているヤギ指名子に声を掛けたら、近くに待ち合わせの輩が2人いて余裕で絡まれる。面倒はごめんなのでこの日一番のミガーダッシュで構内から逃走するも体力が尽き果てる。

ヤギの指名は罠。

 

終電後、昼間は暑すぎて着れなかった有害感強めの服装に着替えた。これからの時間は直個室連れしか狙わないつもりで完ソロ再イン。

しかし梟とはいえ終電後は人がほとんどいない。それにこの時間は人の事は言えないけど基本変な子しかいない。

 

25:30

駅前でロリっぽいメガネ子に声掛け、ホスト帰りでちょっと酔っていて何か食べたいとのこと。店が開いていないのでホテルか糟玉で食べようと提案するも、カラオケがいいと言われる。普段なら秒で放流する案件のスト値と態度。迷ったけど人もいないのでカラオケに行くことに。

 

部屋では歌って食いながら何言っても「それな!」で返してくれるけどガチで全く食い付きが無い。ボディタッチも通らず、結局ただのメシモク女だったので千円徴収して粘りもせずに放流。

 

26:30

次の日というか今日は朝の新幹線で帰る必要があったので、西口公園で謎の自撮りして打ち止め。(IWGP大好きだった)

それにしても足が痛い。

 

 

 

【帝都スト2日間結果】

  • 2即
  • 6連れ出し(2ホテル負け)
  • 1絡まれ
  • 男4エルゲ(クラスタ及び元クラスタの野生から)

 

2日目の梟は夕方時点で1即してたのにその後は即れなかったから坊主の気分。あの環境で8時間もストったら最低2即はしたかった。やっぱりストって簡単じゃない。

でも枯れ果てたパンダで即れたのはちょっと自信になった。緊急事態宣言中の人があまりいないホームでの経験が実を結んだ感がある。

 

今回帝都ストを少しだけ囓ってみて、とにかく自分に足りないものはスト値若い感だと感じた。ただ環境さえ整えば雑ではないローラーができるだけのメンタルと技術を手に入れていたことは大きな収穫だった。合流・KPは楽しいけど他人に頼るナンパ師にはなりたくない。

 

最後に金曜に無理して出てくれたらいむさん、見た目がそっくりだと笑われた元クラスタの凄腕野生さん、若返ってオーラが漂い始めてるアオカンさんはじめ、合流していただいた皆さんありがとうございました。

なにより2日とも面倒をみてくれたヤギ君ありがとう。ヤギ君の周りに男女問わず自然と人が集まってくる理由がよく分かりました。とても楽しかったです。

 

 

年齢的にもやれるのはあともう少しだと思うから、今のうちにまたどこかに行きたいなあ。

 

 

sparklers•down 〜真夏の札幌遠征②〜

 

前編①

north•heaven 〜真夏の札幌遠征①〜 - ありふれた話とその先のこと

 

 

 

 

 

「凄い荷物ですね」

 

「え?」

 

「荷物が凄い、家出するときですらそんな大荷物にならないですよ笑」

 

「ふふ、そうでしょ?笑」

 

「もしくは同棲してた男の家から逃げ出してきたとか?」

 

「男の家ではないけど、そんな感じかも笑」

 

「よく分からないけど、とりあえず手伝うわ」

 

 

背の小さい彼女は本当にとんでもない大荷物を抱えて通りを歩いていた。服装も顔も割と幼い感じだが、肩は落ちとても疲れてそうな表情。

平行トークで自分は関西から旅行で来ている一般人で勧誘とかじゃないと自己開示を済ませる。

 

「遊びたいのは分かるけど今日は本当に疲れてるから帰る」

 

彼女の足は止まらない。

“KPしてくらたら荷物家まで持ってあげる、オレとデートしたら元気になれるって評判、ちょっとした下心ぐらいしかないただのナンパだから逆に安全、とりあえずそこの自販機で水分補給してこ、ほら早くしないと割り勘になるで”

思いつく限りのトークと打診を続けるとようやく彼女の歩みがゆっくりになった。

すかさず彼女の荷物を半分持つ、謎に重い。ちょうどタイミング良く川沿いにベンチがあったので飲み物を買って二人座り込んだ。

 

 

彼女はメイドカフェ嬢として働いて、偶然今日が卒業の日。さっきまで店で同僚やお客さんと卒業パーティーをしていて、店に置いていた荷物や貰ったプレゼントを持って自宅まで帰るところだった。

 

「もうお客さんの面白くもない話に付き合うの疲れた、彼氏は何年もいないし、夏っぽいことも全然してない」

 

来週からは新しい仕事を始めるという彼女。そして出会ってしまったナンパ野郎。

 

「そんな荷物捨てたらええやん、どうせ持って帰っても使わんやろ?」

 

「え、捨てるのこれ?」

 

「そう、あそこのゴミ箱に全部捨ててしまえ笑」

 

「さすがにここに捨てるのはちょっと笑笑」

 

「古い物を捨てないと新しいものは入ってこれんやろ、俺と会ったのはちょうど良いきっかけやん」

 

「でも友達にもらったこの花火だけはしたい」

 

「いいよ一緒にここで花火しよう、その代わり俺ら今日はカップルな笑」

 

「展開早すぎるけど夏だしまあいいか笑」

 

さっきまで他人だった二人が川沿いで並んで花火。彼女は大袈裟なぐらいにはしゃいでいた。

 

最後の線香花火が終わり、花火の残骸だけじゃなく周りに落ちていたゴミも一緒に集める姿を見て、彼女に声を掛けて良かったと思った。

 

「オレの泊まってるホテルならゴミ処分サービスあるから行こ」

 

タクシーでホテルへ移動。久しぶりだから恥ずかしいと少しグダが出たけど、

 

"絶対後悔させないから"

 

と粘って即。

 

 

 

 

事後簡単な即報を上げるとはたちさんからLINE。

 

“ツイート見たよ、勝ったね!最後に会えなくて残念だったけどありがとうまたいつか”

 

自分達の環境で2日連続のGTは厳しいし、翌日は朝から予定があることを聞いていたのでもう帰宅したと思った。

 

よく考えたらこの二日間、二人で話した時間はそんなに無かった気がする。

 

この遠征のためにものすごく準備してくれて、色んな人にも引き合わせてくれた。

自分がまだ全然即れてなかった頃からずっと励ましてくれてた人。

もっと話そうと思っていたことが沢山あったのに。

 

“今日会えなくて泣きそうです、でも後悔はしてないです、絶対また会いましょう!”

 

遠征に来て地蔵トークしかできないヤツと思われたくなかったから、札幌では話している最中でも案件が来ればすぐに声を掛け続けた。

ナンパで繋がった関係って突然別れが来たりする。

実際、一緒に札幌に来るはずだった人は、ある日急に消息不明になってしまった。

 

でも会えてよかったです。

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“いやまだおるて笑、ミガーさんとGT”

 

 

 

えっ?

 

 

 

 

“クソ恥ずかしいので今の全部送信取り消していいっすか?wwwwwwww”

 

 

 

 

あんたホンマに大丈夫なんかいw

しかしあれは勘違いしますって笑

 

 

 

幸い彼女は本当に疲れていたみたいでもう寝息を立てている。

 

『ちょっとだけ友達のところに行ってくるからゆっくり寝てて』

ベッドの横にメモを書き置き、服を着てホテルを出た。

 

“抜け出していきます”

 

“無理しなくていいけどいつものところにいる”

 

“下向いて走ります!”

 

昨日まで全く知らなかった街を走った。そういえば自分はいい年して何でこんなに走ってるんだろう。

 

 

そこには何もないのかもしれない。

誇れることも、

愛することも、

自分は何もできないのに。

 

けれど邪魔なものも、

遮るものもここにはない。

 

ほとんど寝てないのに身体が軽く感じた。

 

 

 

いつもの場所、はたちさんが酒片手に笑っている。ミガーさんはダッシュを繰り返してるし、りょうまんと成田は酒瓶片手に目が完全にパキってるし、ダリさんと筋子さんはコンビで連れ出した後みたいで姿はなかった。

 

そこからは、地蔵トークしたり、色んな人とコンビしたり、適当に声掛けしたり。

 

気がつくとはたちさんもミガーさんも消えていた。Twitterを見ると皆んな即れそう。本当によかった。

 

"疲れたし満足したし今回はこれで十分かな"

と思った時、

 

"まだやれますよね?僕はその状況でやりましたよ笑笑"

https://kazuyaura.hatenablog.com/entry/2020/08/18/194108

花火ドヤりLINEを送り付けてしまったあるクラスタから↑みたいな趣旨の返信。会った事は無いけどナイフみたいな笑顔が思い浮かんだ。

 

激励と受け取って声掛けを再開。

 

しばらくして近くにいたりょうまんが、和んでいた高身長のOL子(ミセク)を自分へいきなりパスw

 

ありがたく受け取って、水が飲みたいと言うOL子を一旦コンビニ連れ。

 

さっきまで友達と飲んでいて終電を逃したイージー案件。とはいえ取りこぼさないようちゃんと和んでからラブホテルに搬送。

 

「貴方達どういう関係なの?笑」

 

最後まで怪しまれてたけど

 

「まあまあまあまあ笑」

 

で流して即。

 

ちょっと雑に扱ってしまったのに、なぜか食い付きが高いOL子は"後でランチデートするから一旦家に帰って着替えてきて"となだめてタクシーに乗せてた。

 

すっかり明るくなったすすきのの街で、その後も地蔵トークしながら適当に声掛け。

こんなのがいつまでも続けばいいなあなんて思ったけど、そろそろ自分のホテルに残してきた子が起きてもおかしくない時間になった。

 

最後に箱に行くというりょうまん達と別れ自分のホテルへ戻ると、幸い彼女はまだ寝息を立てていた。

 

しばらくして起き出した彼女がシャワーを浴びて身繕いを終えるまで、目を閉じて眠ったふりをしていた。

 

「ねえ、本当にいらないもの置いていってもいい?」

 

「大丈夫でしょ」

 

二人で荷物の仕分け。お客さんに振る舞ってたかき氷のシロップ、少しくたびれたメイド服。他にも色々出てきたけど、持っていた荷物はほとんどがゴミ袋行きになった。

 

「あー、スッキリした!」

 

背を伸ばした彼女は昨日よりも少しだけ大きく見えた。

 

「これだけ俺が貰うわ」

 

ロッカーの鍵につけていたカービィのキーホルダーだけは何となく貰うことにした。

 

「俺スープカレーだけはまだ食べてないからランチ一緒に食べよ?」

 

「今日だけカップルって言ったでしょ?もう明日になったよ笑」

 

ニュートンの運動第三の法則じゃないけど、彼女が前へ進むため最後に捨てたのはナンパ野郎だったみたい。

 

 

とても軽くなった荷物と彼女をタクシーに乗せて、窓越しにいつか彼女の夢のカフェをオープンしたら会いに行く約束をした。

 

「札幌楽しかった?」

 

「うん最高だった、ありがとな」

 

タクシーが小さく見えなくなるまで見送った。ほんの少しだけ未来を感じつつ、笑顔でお別れできるのがいいナンパのような気がしている。だからこのカービィは無くさないようにしよう。

 

すっかり陽は高く昇り、日常がすぐそこまで帰ってきていた。

 

 

部屋に戻り携帯を見ると二人目のOL子からLINE。

 

“二日酔いが酷くてやっぱりランチ行けそうにない、ごめんね”

 

昨日は二人に殺すって言われて、今日は抱いたはずの二人の女の子に振られて、楽しく騒がし過ぎた夏祭りも終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰りの空港。

飛行機に乗り込み、窓から外を見ているとなぜか目が熱くなってきた。

 

疲れているからなのか、

出会いと別れからなのか、

それとも贖罪なのか、

 

理由は未だに分からない。

 

飛行機は滑走路を一気に加速し、空へ上がっていく。下には北の大地。上には青い空。

 

めいいっぱい走って、遊んで、戦った。

ここは綺麗事だけじゃないけど、運悪く来られなかった奴も、辞めていった奴らも、きっとその瞬間は楽しんでいただろう。

そしてまだ続けてる救いようのない奴らは、いつだって次はいつ飛べるかを考えてる。

 

当たり前の今日が、

明日もやってくるとは限らない。

線香花火のように、

いつか落ちてしまうのなら、

余分なものを捨てて、

せめてその瞬間だけは全力で。

 

また会おう。

また踊ろう。

自由に。

 

またストリート(ここ)で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見てるか、まだ戦ってるぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に。

遠征の最初から最後までお世話になってはたちさん、一緒に遠征した皆さん、合流してくれたポロサツクラスタの皆さん(会えなかった方も含めて)、遠く離れた地からアドバイスしてくれた方達、本当にありがとうございました。

この年齢になるとどんなにお金を積んでもできない経験ができたと思っています。ほんと札幌最高!

どんな形であれここにはいつかまた来ます。

 

そして出会ってくれた北国の女の子達ありがとう。

 

 

 

コロナ禍におけるストナン対応(じじいver)

 

 

コロナ禍におけるストナン対応法を頭の整理を込めて記録しておきたい。自分個人の対応方法であり、もちろん誰にでも当てはまるものではないのだが、最近死滅気味のおじさんスト師がこの厳しい世界線でサバイブするためのヒントになればと思う。(自分もそこまで結果を出していなくておこがましいのけど)

 

結論から言うと自分はコロナだからと言って無理とは思わないし、厳しいがやりようはあると思っている。

 

 

 

さて、よくコロナになってからストナンが難しくなったと言われる。その理由としては主に以下のような要因があると思われる。

 

  1. 街を歩く人が少ない
  2. 店が開いていないから連れ出し先がない
  3. 状態のいい案件が少なく反応が悪い

 

以下それぞれの対応方法を考えてみたい。

 

 

①  街を歩く人が少ない

 例えば渋谷センター街ではコロナ感染拡大前と2021年9月1日の21:00時点を比べると、人流の減少率は74.9%となっている(内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室https://corona.go.jp/dashboard/より)。いわゆるナンパスポット歩く人が1/4になっているわけで、対象者の減少は当たり前に声掛け数の減少に繋がる。結局ストナンはナンパ師と案件のスト値に応じた確率論の側面が強いので、声掛け数という分母の減少はそのまま結果の低下に繋がる

 一方で上記サイトによると渋谷駅の人流減少率は55.1%となっており、センター街よりは幾分マシである。テレワークやオンライン授業が進んでいるとはいえ、外に出て公共交通機関を使わざるを得ない人はまだまだ多い。

 これをナンパ的視点で見ると、繁華街に人が居ないなら人のいる駅構内や乗り換えの連絡路などコロナでも人の多いところで、早い時間帯にやればいいということになるが事はそう単純でもない。

 確かに今でもそういった場所・時間なら歩いている人は多いが、ほとんどの人はイヤホンをして足早に家路を急いでいるだけあり、ナンパ師側の自分勝手な声掛けに反応してくれる人は極めて希だ。場所によっては警備員も多くオーバーアクションで目立ちすぎるとすぐに御用になる(警備員や警察と揉めて良いことなど一つもない)。よく斜め45度以上前に出て大きな声で声掛けが正解とされているが、それは繁華街などがやがやした場所での場合であり、TPOを踏まえた使用が必要。いきなり声を掛けられる女の子も怖いし恥ずかしいと思っていることを忘れてはならない。目立たないように自然にが基本。

 さらに早い時間は基本的に飲み会帰りのほろ酔いは居ないため、オープナーやこちらの設定も考える必要がある。脳死で「飲み足りない目してますね」や「友達と飲み会まで暇だから」ではじじいは厳しい(もちろんこのオープナーをディスってる訳で全然はない、状況に応じた使用が必要と言いたいだけ)。コロナ禍の駅構内で若イケでもない仕事帰りのサラリーマンが女の子に声を掛けることが不自然でない状況・キャラ設定と声掛け方法が絶対的に必要。(だからと言って誠実系は勧められない)

 ただ、このあたりの場所での声掛けの難易度は繁華街と比べて高い。もちろん案件は多いので声掛け数は伸びるがオープン率は低いし、バンゲだけなら問題ないが連れ出しの導線も遠く即となると難しい。それに自分は気にならないが、明るいところが多いので声掛けの心理的ハードルが高くなるかもしれない。

 

② 店が開いていないから連れ出し先がない

 従来のナンパの王道は、繁華街で声を掛けて居酒屋やBARなどに連れ出し、酒を飲みながら口説いてホテルなどの個室に搬送してGETするというものであり、自分も最初はそう思い込んで何とか店に連れ出そうとしていた。

 ところがコロナでほとんどの店が早々に閉店するようになり、開いている店も逆に人が溢れていて通常の連れ出し先がなくなってしまった。そこで仕方なく開いているコンビニに連れ出し始めたのだが、これが自分には合っていた。飲み物だけで金がかからないし、近くのベンチ等に座って飲めばすぐに横並びになれるし、座れるところがなくても物陰で立って飲めば距離も詰めやすくボディタッチもしやすい。結果として仕上げる時間が劇的に短縮された。それどころか案件への刺さり具合によっては「店が開いてないからホテル飲みしよう」打診がしやすくなって弾丸即が逆に増えた。酒が飲めず準即が苦手な自分には、店が開いてないコロナの状況はむしろやりやすいとすら言える。どうせ刻んでバンゲで次回に回しても殆どが死番するしアポも面倒なら即日打診あるのみ。自分も最初は出会って10分の女の子がホテルに付いてくるなどただのファンタジーだと思っていたけど、やりようによってはこれは全然あり得る現実だった。

 ただリスク面は十分に考える必要がある。自分は即の時は基本的にラブホテルしか使わない。ネカフェ即を否定するのもではないが、ろくに即れていないようなじじいにはリスクが大き過ぎる。SEXして別れるときまではノリノリでも、帰ってから急に気が変わって「無理矢理やられた」と警察に駆け込まれたら即人生が終了する。ネカフェやカラオケは一般常識ではSEXをするところではないので、虚偽の証言をされたら録音でもしていない限りほぼ負ける。先人の事例と経験をしっかりと参考にすべき。

 直個室や早い段階でのボディタッチは一定のスト値と相手を見極める目がないと危険、いつの時代もどの分野においてもスト低は割を食うように世の中はなっている。

 また連れ出し先がないと嘆くなら最初からビジネスホテルを押さえておいてビジホ飲み打診するのも手。車が使える人はドライブ連れ出しも有効だろう。連れ出し先を自分で作る。とにかくコロナのお陰で個室打診が通りやすくなったと前向きに捉えたい。

 

③ 状態のいい案件が少なく反応が悪い

 じじいナンパ師にとって一番一般的で簡単なナンパは、飲み会帰りで気分のいいほろ酔い案件に声を掛けてGETすることだと思うが、コロナになってからとにかく状態のいい案件が少なくなった。いても大体複数で行動しているし、この社会情勢で飲み歩いているということで面食いか擦れている案件がほとんど。それに大都市でも遊んでいる案件の固定化が進んでいる気がする。若イケならこの層にも対応できると思うが、じじいには難易度が高い。

 それ以外の案件はシラフなのにこちらだけ泥酔していては益々マッチしなくなる。要するにお互い素の状態で勝負するしかなく、遅い時間帯に状態のいい案件を拾うのとは別のゲームになっている。対応としてはこちらのスト値を上げてから数を増やすしかない。

 マスク時代において相手への最初の印象は髪型、目元、肌、服装で決まるので、整形でもアンチエイジングでもメイクでもウィッグでもとにかくやれることは何でもやるべき。ごく一部の遺伝子チートを除いて、じじいがありのままの自分で何とかなるほどストは甘くない。

 特に20代前半以下の案件を狙うなら自分も若く見えないとそもそもろくにオープンすらしない。普通の20歳の女の子にとって35歳は完全にじじいで許容範囲外。Twitterでおじさんがモテるとか耳障りのいい綺麗事を言っているヤツは全員エアプか悪徳業者なのですぐにブロックかミュートすべき。現場に出ている本物は厳しい事しか言っていないけど残念ながらそれが現実。

 じゃあアラサー案件を狙えばいいかというとやってみると分かるが、即日となるととにかく面倒臭い案件が多くお勧めできない。

 それから自分は声掛けの工夫は大事と思っていて固定オープナーは使わないが、最近東京を中心に一日100声、200声が当たり前になっているのは、ある意味おかしな事ではないと思っている。効率が悪かろうが何だろうがとにかく数は正義なので、どんどん声を掛けて少しでも反応のいい案件を探すべきだ。

 

 

結 論

  • 金と労力に糸目を付けずスト値を上げる
  • 人がいないならいる場所で声掛けをする
  • オープナー・声掛け方を工夫する
  • 声掛け数を増やす
  • 連れ出し先を工夫する(可能なら直個室)

 

 繁華街で声掛けて直ネカ即で十分やれているとか、バンゲからの準即で結果出ている人もいるし、やり方はその人それぞれ。置かれている環境によっても様々なので自分のやりやすい方法でやれば良いのだが、じじいが間違えた方法で努力しても絶対結果は出ないから頭を使って継続していきたい。

 繰り返すがここで書いた自分のやり方は一つの例でしかない。スト値上げの具体的方法は優良業者さんが詳しい情報を出しているのでそちらを参照してほしい。情報を見極める目も大事。

とにかく生き残れ

 

 

 

north•heaven 〜真夏の札幌遠征①〜

 

かねてより企画され一度はコロナで延期となった既婚じじいナンパ師達による札幌遠征。

参加者や全体概要等についてはジャック•ミガーさんのブログ(https://note.com/miger/n/nd37814fab244)の方が分かりやすいし、面白いのでそちらを参照してください。以下は完全自分目線による前半の記録。

 

 

【DAY1】

15:00

ホテルにチェックイン。後にこれを見た男全員に引かれた出撃準備セットを部屋に並べて自分の準備を進める。

 

 

15:30

北国クラスタのはたちさんが部屋に到着し念願の初対面。はたちさんは今回の遠征の受入準備を全てやってくれた幹事的存在、かつ自分がまだ全く即れない初期の頃からいつも気にかけて励ましてくれてた兄貴的存在好き。

知ってたけどめちゃガタイいいし笑顔が素敵なイケメン。そりゃ即りまくるわと納得しながらがっちりと握手。しかしホテルで2人きり、誰かが喜びそうなシチュエーションだなおい…。

 


16:00

長い準備を終えて、はたちさんに街の案内してもらう。声かけ場所、連れ出し先、やったらダメな場所など。合間にちょいちょい声かけすると女の子の反応がめちゃくちゃ良いし可愛い子が多い。最高の環境で時間も人目も気にせずに思いっきりストナンができるという状況に、自分のテンションは上がる一方。

 


17:00

一通りの案内が終わり、狸小路のコンビニ前でKP。しかしはたちさん放っといてすぐに声かけてしまい、全身真っ黒コーデのJD1を買い物からの路面クレープ屋さんに連れ出し。

ただ自分の夕食時間が迫ってたので「また後でね」と一旦放流。どうしても行きたい店だったし自分1人だけバナナの夕食は絶対避けたかった。結果当たり前に死番。

 


18:00

海鮮のいいお店でS師、筋子さん、🐰ちゃん、ミガーさん、ダリさん、はたちさんと宴。とにかく美味すぎる。しかしS師イケメンなのに頭おかしい(褒め言葉)好き。

 


20:45

5Pに向かう変態どもを見送って、はたちさんと本格的街IN。野武士君、りょうまん、成田、メロ君達と合流して挨拶、こんな頭おかしい老害と仲良くしてくれてありがと。大酒飲んでダッシュしたり、叫んだり、唸りながら楽しそう?に声かけしてる君達好き。

声かけの方はバンゲはできるものの手応えなく、なかなか連れ出せない時間が続く。

 


22:15

ドンキ横の交差点でワンピース姿のOLに声をかけ。イベント系、反応は良いが時間なくコンビニだけならとのことで、ニッカ前のコンビニで飲み物買ってKP。

話はすぐに盛り上がって、軽いボディタッチにも嬉しそう、これはいけるヤーツ。しかし、

 

「いつもなら付いていくけど、明日は朝早くからどうしても外せないイベントの仕事があるの、ごめんね」

 

どうしても仕事グダが崩せない。明日の夜なら行けるかもとのことだったのでバンゲして放流。

途中まで見ててくれたはたちさんから"仕上がったやろワイは次行く"とLINEが入るぐらいだったのに結局翌日も会えず。。。

 


22:45

教えてもらったポイントを徘徊しながらソロでローラーを継続。ただし丁寧さは失わないように、相手をびっくりさせないようにを心掛けた。準備してきたコーデのおかげか若い層の反応がいい気がする。

 


23:30

ニッカ前で金髪生足ホットパンツのガルバ風に声かけ。マスク越しだが可愛いしエロい。反応良くそのまま路上で足止めして和む、しかし食い付きなのか押しに弱いだけなのか判断に迷う感じ。時間がもったいないのでホテルの方向に誘導、まんざらでもない様子で付いてくる。

 

「甘い物好きでしょ?神戸プリンあるよ、シャンパン買って飲も♫」

 

とか言いながら歩いてホテル近くのコンビニへ。お酒見てる時に女の子が携帯を触っているが見えた。でもその時は何も思わなかった。

 

飲みたいお酒がないからやっぱり向こうのお店で探そうと言われて2人でコンビニ出た瞬間、

 

「お前コロスぞ!あぁ?あぁぁああ!!?」

 

昭和みたいな見た目の背の低いヤカラが自分の胸ぐらを掴んできた。

"あー、そういう事か、、嫌ならそう言ってくれればすぐに放流したのに…"

とても面倒くさいし、普通に怖かったので

 

「すいません、知らなかったんです」

 

と言いながら後退りし、頃合いをみてダッシュで向かいの通りに逃亡。本当に自分は何も知らない。振り返っても追いかけて来てなかったのでほっと胸を撫で下ろした。

 


24:00

その時、向かいからトラバスを着た青髪地雷系女の子が歩いて来た。ホームならガンシカしかされない系統だけどノータイムでフロント声かけ。さっき殴られかけてから2分ぐらいしか経ってない。

 

「綺麗ですね、髪の毛、青の髪の毛が凄く綺麗笑」

 

「ありがとうございます笑笑」

 

あっさりオープン。

  • ホスト帰り20才(顔普通)
  • お金がなくなって大好きな担当に追い出されたところ
  • リスカ跡が凄い

担当に貢ぎ過ぎて二日間何も食べてないし、話しを聞いて欲しいとの事だったので、さっきの昭和風ヤカラがいなくなった事を確認して、同じコンビニで弁当とストゼロを購入してホテルに搬送。


有名なお薬(合法)飲んでて割と飛んでるし、色々とここに書けないようなヤバいエピソードを語る語る。やれやれ初日からとんでもない闇案件を釣ってしまった…。

 

「大変やったなあ、でもキミは悪くないよ。担当っぴも分かってくれるって」

 

本当は全然興味ないけどウンウン言って話しを聞いてあげる。正直さっさと即って一刻も早く放流したい。

"担当から連絡が来ない"と凹む彼女。

"金の切れ目が縁の切れ目だから当たり前だよ"とは言わない。

辛い現実よりも甘い夢を見続けた方が幸せな場合もある。

 

しかしボディタッチは通るけど、そういう事は担当としかしないグダがきつい。担当の気を引きたくて仕方ないらしく、ひっきりなしにLINEや音声メッセージを送ってる。つまり自分は担当の気を引くエサに使われている。

この子の場合、担当の事を悪く言って雰囲気をぶち壊してもダメな気がした。遠征坊主は避けたいからここはどうしても決めたい。でも食い付きはないし、リスクもあるしここは早めに放流か?


諦めかけた時、ふとツイッターを開くと遠く帝都でこの日2即を決めたヤギ君からいつものドヤりDMが入っている。彼が弾丸即してる子はだいたい可愛いから嫌い。返信がてら相談してみる。


ヤギ "「俺リスカ跡好きでさ、舐めながらするのめっちゃ興奮するんだよね」ってサイコパス褒めすると結構喜びます!"原文ママ

 

 


ホンマかいな…

 

 


「俺リスカ跡好きやねん、ここ舐めながら首絞めSEXするの大好きなんだよね♫」

 

 


「え、あり💕」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

即。

やっぱりヤギも好き。

 

 

 

 

 

 

 


しかし即ってる最中に何と担当から着信。携帯を握ったままだった案件が秒で電話に出る。リアルに冷や汗をかく自分。

 


「ふぇ〜、○○くぅ〜ん、○○くんが相手してくれないからナンパしてきた人とやっちゃってるよぉお〜」(メンヘラ演技口調)


「はあ?意味分かんない、どういう事?てか今どこ?店閉めたら行くから、とりあえずそいつコロスぞって言っといて!!」


「ワタシもここどこか分かんないからお店の前に行くねぇ、ごめんねぇ○○くぅ〜ん、大好きだよぉ〜」(自分と話してる時より1オクターブは高い声)

 

…通話終了

 

「これでいいです、ありがとうございました!ここの事は言わないので安心して下さい、でも一緒にいたら殺されちゃうからちゃんと逃げて下さいね♫」(地声に戻ってる)


「う、うん…まあ良かったね…」

 

 

 

すぐに服を直してホテルから走り去っていく案件を見送った。もちろん連絡先は交換してない。

無茶をしてしまったけど、ホテルの名前も場所も分かってないだろうから多分大丈夫やろう。。。


しかし今日だけでコロスとかコロセってフレーズを何回聞いただろうか…札幌って女の子も男も皆んな優しいって聞いてたのに。

 


26:00

このままホテルいるのも怖いし、まだはたちさん達も街にいるとの事で、周囲に気をつけながら深夜のすすきのに再IN。さすがに声掛けは目立たないよう控え目にした。テンションもイマイチ上がらない。

ラウンドワン前ではたちさんと合流。ミガーさんと🐰ちゃんが焼肉屋にいるらしいので向かう。


店内で烏龍茶を飲みながら4人で話してると少し落ち着いてきた。ナンパを始める前までは割と真面目な人生送ってきたのに今日はなんて日なんだ。しかしとりあえず1即できたし、まあいいのか?

ふと視線を感じて顔を上げると、酒とナンパで仕上がったはたちさんとミガーさんの目が自分を見て何か言ってる気がする。

怖い。

とにかくここにはシラフの常識人は自分しか居ないのだ。

 

オフパコはあんまりしたくなかったんやけどなあ、、、

今日までフォローもしてなかったし、話すのも初めてやしこれってオフパコなの???

GTしたいし、、、

かと言って今は自分のホテルに帰りたくないし、、、

そもそも誘って断られたらどないすんねんて、、、

 

 

 

 

 

ああぁ

 

 

 

 

 

 

 

、、、

 

 

 

 

 

 

 

27:00

🐰ちゃんホテルヨネスケ

シャワー浴びて化粧水とか色々使わせて貰う。飲み物くれるし優しいし天使ですか?それともミガーさんに気を使ってたのかな??

それにしてもグダグダでごめんね。

本当に助かりました好き。ありがとう。

 

 

 

 

 

一応2即?して疲れたし次の日もあるし、このまま眠・・・れない。何でやねん。

仕方がない。この日5即して満足そうに眠った凄腕🐰ちゃんを残して服を着る。

 

 

29:15

すっかり明るくなった街に再々IN。さすがに輩もホストは帰っただろうと前向きに捉えて声かけ再開。しかしクラブ帰りと思われる2人組や夜職終わりがほとんどで自分には反応劇悪い。目が痛くてコンタクトも外したからそもそも相手の顔がほとんど分からない状態。

携帯を見るとはたちさんも即ったみたい。さすが過ぎる。

 

30:30

疲れて1日目終了。

キョロキョロ周囲確認しながらホテル到着。わざと階段を使ってスパイのように部屋に帰る。幸い怪しい人影は無かった。

 

 

 

【DAY2】

 

11:00

ダリさん、ミガーさんと寿司ランチ。顔射はアートと熱く語るダリさんが好き。退店時に素の成田と🐰ちゃんカップルに遭遇し、この遠征で一番の爆笑をかますwwwww

その後サウナで筋子さんとも合流、夜は筋子さんオススメのジンギスカンを食べる、今までのジンギスカンの常識がひっくり返えった、筋子さん好き。ちょっと昼ストする元気は無かった。

 

 

20:30

ようやく街IN。ホテル出た瞬間に道に居たOLに声掛け。友達来るまでならとコンビニ連れ出し。ヒールが似合っててスタイルが凄くいい。普段の好みのタイプ。

 

「ええーっ、絶対年下でしょ?私でいいのー?笑」

 

食い付きありこれはラッキー、絶対ものにしたい。

 

「俺29才だけどお姉さんは?」

 

「…44才笑笑」

 

本当に年上だった。

でも全然行ける。

 

「私の娘紹介しようか?25才で可愛いよ」

 

「いや俺年上フェチやねん」

 

本当は娘紹介して欲しいけど今は結果の方が欲しい。全力で路上仕上げにかかる。マスクの下もまあまあ、これは行ける!

しかしここで友達から無念の電話。自分の隣のホテルに友達と泊まるらしいので、LINEを交換して後で連絡してねと約束して解散。

しかしこのブーメランも不発に終わる。後から考えるとヤリモク感を出し過ぎてて、貴女だからという特別感を出せてなかった。

結局この遠征中ブーメランは一度も返ってくる事は無かった、スト低じじいは辛い。

 

 

21:30

声掛けしながらすすきのを北上。札幌に来たばかりというJD1をドンキまで案内しつつバンゲ。しかし手応えは低い。その他のバンゲもほぼ意味はないだろう。平行トークはできても連れ出せない。オープンだけはめちゃくちゃするから目的地に辿り着けず、今日はINしてからまだ誰にも会えてない。1晩1即は最低条件だが、まだ焦るような時間じゃないと自分に言い聞かせる。

 

 

22:45

札幌にしては暑いと思われる夜、でもホームに比べたら天国みたに過ごしやすい風が吹いているのを感じた。

そんな時ニッカ向かいの通りで、大きな荷物を抱えた彼女に出会った。

 

 

 

②につづく

 

どこまでも薄くて細い

 


彼女に声を掛けたのは冬の寒い時期だった。 なんて声を掛けてたか、連れ出したカフェでどんな話をしたかも忘れてしまうぐらい前のこと。 彼女は背が小さくて体型も顔もロリっぽい21歳の販売員。

 

「私男性経験がない」

 

寒空の下で慣れてなさそうに彼女がそう呟いたのだけはよく覚えている。当時はそれ以上事を進める能力が自分には無かったし、何となくその気分にもならずLINEとインスタを交換してその日は別れた。

その後やりとりを続けたものの、年末年始と自分の旅行を挟んだこともあり、のらりくらりとかわされて彼女とのアポの日程は決まらなかった。

 

年が明けたある日、彼女のインスタに、ぬいぐるみが一杯の部屋でジェラピケのパジャマを着た彼女のストーリーがアップされていた。


“ぬいぐるみ好きなの?”


“うん、大好き”

 

“来週から旅行に行くんだけど、このぬいぐるみいる?”

 

“うん、欲しい欲しい!”

 

 

 

限定のぬいぐるみを餌にしたアポの日、彼女は30分以上遅刻したのに「友達と偶然会っちゃって」とか言いながらニヤけた顔でゆっくりとやってきた。 最初から嫌な予感。でも当時の自分には損切りという選択肢が無かった。


で結果は当たり前に惨敗。

雰囲気を作ろうとするけど、その都度フワフワとかわされてしまう。かといって完全に拒否はしていないような媚びたまなざしを彼女は向けてきた。イライラした自分は店を出て物陰で強引にキスをした。なぜかグダは無く長い時間舌を絡め合った。でも唇を離したとき瞬きもせず彼女はこう言い放った。


「気持ち悪い」

 

「え、どういうこと?」

 


そこから小一時間彼女の自分語りを聞いた。

彼女は"レズ"だった。

確かに男性経験はないが、バイの彼女(自分にはセフレとしか思えなかったが)がいるらしい。

 

「最初から貴方のことは何とも思っていなかった。やりたいんだろうなとは思ってたけど、キスをしても全然濡れなかったし、やっぱり生理的に無理。だって貴方も男とやれって言われたら気持ち悪くて吐きそうになるでしょ笑」

 

見下したような表情でそんなことを言いつつも、彼女は帰ろうとはせずに話し続けている。最初に会ったときの初心な印象はもうない。ただ彼女は一方的に自分のことを話したかっただけだった。

 

別れ際、お土産のぬいぐみを渡した時だけは彼女はちゃんとした笑顔になった。最後はこんな意味合いのことを言っていたような気がする。

 

「ありがとう、おかげで自分を確かめられた」

 

 

 

その後はインスタのストーリーを時折見ては彼女の存在を確認するだけになった。 彼女はバイのセフレに入れあげているようで、販売員にしては不相応なキラキラした投稿やストーリーを頻繁に上ていた。周辺の人間に良いように利用されているような気がしたけど自分には関係のない話だった。

ただ彼女も自分の上げたストーリーを見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約1年後、突然彼女から知り合いが出演する舞台を一緒に見に行って欲しいとDMが届いた。有名な俳優が出演しているわけでもない安っぽい舞台で、怪しいものではなさそう。それに彼女に自分を騙してどうこうするような意思も能力もないと思ったので、好奇心と少しの期待というか下心で行くことにした。

ただ身分証やカードの類いは纏めてコインロッカーに預けた。


久しぶりに会った彼女は相変わらずロリっぽい見た目、前よりも少し痩せているように感じた。自分のチケット代を手渡して会場へ向かう。知名度のせいなのか分からないけど観客の姿はまばらだった。

舞台のテーマは輪廻転生。登場人物達が時代や性別を超えて生まれ変わるものの、前世の記憶を思い出して何度も運命的に巡り会う物語を美しく描いていた。ただ自分にはその主題は理解も共感もできなかったし、突然誘ってきた彼女の意図はもっと分からなかった。

 

退屈で居心地の悪い2時間が終わり、彼女の知り合への挨拶が終わるのを少し離れたところで待ってからカフェで会話をした。

実家から出た、バイの彼女と彼氏で3Pをした、彼女の夢を応援している、昼の仕事を辞めて夜の店に勤務するようになったとか、何となく予想されたパターンそのものだった。

そういえば今日の彼女はよく水を飲む。

 

彼女は自分を正当化し、自分の価値観に合わない人間を例え家族であろうと切り捨てていた。自分は普通の人よりも“上”の人生を歩んでいる。

多分色々と病んでいるんだろうけど、そこは認めたくないし他人に指摘されたくもない。


既視感


普通の人ができない、あるいはやらないことをしている自分に陶酔している、優れた存在だと思っている。でも本当に惨めなのは自分なのかもしれないという事実を直視したくない、認めたくない。

最初から彼女は自分を見下していた。でも本当は救って欲しいのかもしれない。それともあの安っぽい舞台のテーマのように、今の記憶を持ったまま別の何者かに生まれ変わりたいと思っているのだろうか。どちらにしてもそのことを彼女が認めることは決してない確信があった。

 


昔から人間というものに興味があった。子どものころは本や映画の中にそれを求めてきた。でも路上で出会う女の子は、当たり前に作り物のドラマや小説よりもリアルで印象的だった。自分が彼女達に必要以上に踏み込んでしまうのは、承認を求める弱さもあるけど、彼女達の本質を知り尽くしたいという欲望のせいなのかもしれないとふと思った。


“怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ”


ありきたりな言葉が頭に浮かぶ。
怪物とは、深淵とは何のことなのか。
一線を越えたの彼女なのか、自分なのか。


彼女はしきりに水を飲んでいる。
色々ともう限界だった。

 


「俺とホテルに行こう、それが嫌なら帰ろう」

 

 

彼女はとても無機質な顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、彼女のインスタにアップされたストーリーに、昔自分がプレゼントしたぬいぐるみが一瞬だけ写った。沢山の可愛いぬいぐるみに囲まれて彼女は何かを満たせたのだろうか。まあこれもどこかで聞いたような薄っぺらい感想。それにしてもナンパとしては随分時間とお金を無駄にしてしまった。

 

 

一緒に見た舞台のセリフを思い出そうとしてそれをすぐに諦めた自分は、彼女のインスタとLINEをブロック削除して、 薄く細く繋がっていた糸が切れて終わった。